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口開ける金魚欠伸にちがひない
風鈴の百の共鳴百の揺れ
まつすぐに日本の文化松の芯
崩れ落つために高きへ噴水は
器量とは魚にもあり捨て鯰
白南風に乗りうどん屋のんの字は
白地着て筋金入りのへそ曲り
逢ひ引きの蚯蚓しの字に干涸びて
針の穴見つけて通る大西日
なめくぢり進む原理が解らない
炎天下豆を煎るかに砂の浜
生ビール一杯二杯が五六杯
新品種のルーツはこれぞ黒葡萄
体重計絵踏のごとくそつと乗り
息すれば肺が灼けつく酷暑かな
冷気より涼風ほしき昭和人
台風来両手に土産の雨さげて
振り向けば男も日傘笑み返す
回転寿司はITづくし秋の夕
縄文のビーナスの尻弾け秋
窓際を上手に生きておでん酒
里芋だけを食べたのは誰芋煮会
新涼の蛸の血ヘモシアニンの色
憤怒こそ生き抜く力枯螳螂
かたくなに守る手書きや文化の日
児に貰ふ紙の勲章文化の日
飛ぶたびにスクワットしてバッタかな
この焚火果たして違法か合法か
はばかりの外にいつもの金木犀
小鳥来る監視カメラを避けて来る
何処へいく木の葉のきつぷ風の駅
四苦八苦掛けて足したら除夜の鐘
値上げに遅配それでも出します年賀状
淑気満つ楕円な暮らし真四角に
どの口も寒さばかりをぼやき行く
浅漬や時短時短の流行る現代(いま)
雪が来るべたべた白をぬりに来る
少年の大志五十路の埋火か
宝船枕の下で沈没す
予定にはのんびりと書き初暦
年玉をスマホで送金詐欺のごと
一打ごと煩悩砕く除夜の鐘
咲けるだけ咲かそうクレヨンのチューリップ
べつたりと貼り付くやうに春の風邪
着ぶくれて自転車またぐよいしょかな
大根一本初めてのおつかいの
蕎麦湯のむ湯気に眼鏡は眠くなり
凍て進む漬物石の重さにも
四月馬鹿惚(ほ)れたり惚(ぼ)けたり惚(とぼ)けたり
しらすぼし千の命を噛む夕餉
老眼鏡拭いても大根にしっぽあり
春風邪に油断めさるなあばら骨
電線の五線譜のソラ百千鳥
雛あられお醤油色の食卓へ
裏表噓を表の万愚節
目の奥に春の憂鬱のある埴輪
たんぽぽや黄色に生まれてよかったね
まつすぐに生きて切なし猫の恋
さくらさくら散りながら居場所探します
蕗の薹苦味の分かるお年頃
子も四十大人ばかりのこどもの日
聴診器の胸に貼りつく夏に入る
分身に痛くはないか心太
花びらを散らし普通の木にもどる
いつまでも高値いやがるキャベツ
春愁を刈り取つてくれ床屋さん
ハイテクの無痛の針や蚊はどれも
侘び寂びを求めて来れば黴(かび)の宿
農協のおばさん今日は早乙女に
空と枝ビールが取り持つ豆の仲
走り梅雨歩き梅雨つてあるのかな
歯が立たぬ夏大根も頑固者
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