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マネキンの胸恥づかしく夏来る
天と地とサンドイッチの炎天下
甚平着て賞杯も無しワンカップ
一日の仕舞のページ夕端居
大奥に不穏なにほひ冷蔵庫
父の日やライン見たかと電話来る
とろろ汁口がすべつてしまひけり
暑いねとペットボトルに独り言
八月や御霊にゆつくりして行けと
常ならむ雨意の奥山秋出水
お日様の恩恵忘れる暑さかな
電機代少しく惜しみ熱中症
手づかみで買はれてこその秋刀魚かな
ワガタのチクチクとして心地いい
パトカーに付き纏われる厄日かな
駅を出で西日のあいさつお呼びでない
高値の数字ちらと見るだけ初秋刀魚
夕焼道我が影あしながおじさんに
満月を舐め終えたらし屋根の猫
群れ蜻蛉群れては何も残るまい
尺蠖に我が身の丈を測られる
夏痩やドリンク剤を一気飲み
表面に栗を盛り付け栗ご飯
名月を欲しがることのしかりかな
蓮根掘る電車のやうな連結部
古妻のマグマにビビりうそ寒し
この秋思ひどい上げ底ではないか
秋晴や婆のプライド杖畳む
本宅か否妾宅か穴惑
秋雨の貼り付いているふくらはぎ
大夕焼け地球の裏側覗きにゆく
ニセモノの前歯こはごは林檎食ふ
美しいけれどもしやの毒茸
冬ざるるもの言う機械に囲まれて
特製の蓄音機のごと蚯蚓鳴く
さまざまなことは幻(まぼろし)色葉散る
宇宙より天国近し初湯浴び
若者のやばいやばいと食うおでん
高望む初天神の絵馬に誤字
安堵にも疲れのまじる大晦日
へそくりの見つからぬまま掃納
新鮮を競う初日とビアの泡
回つてる時が幸せ独楽だもの
豆を撒く妻に本気の眼あり
何がめでたい九割廃棄の恵方巻
あちこちに霊の漂ふ毛皮店
お雑煮の餅に入れ歯がついて来る
足踏みを加え春待つ万歩計
籠城にのみ勝算の花粉症
冬の月触れればきつと冷たかろ
公園の制空権をシャボン玉
営巣のあいさつの糞初つばめ
耳たぶを擽りたがる春の風
句作りの人生七分梅三分
身につきし我慢宝に卒業す
花好きに取り巻かれたる標本木
春泥や何するんでぃべらぼうめ
お揃いで真面目に咲いてチューリップ
春の鬱まともなる句を駄句といふ
踏青や手にドローンの操縦桿
タンポポの綿毛孤独の旅に出る
花粉症予防に長き付けまつ毛
短距離は誰にも負けぬごきかぶり
蛇穴を出て凝った腰肩伸ばしけり
重力に負ける乳房藤の房
更衣ストリッパーは靴を脱ぐ
六月の花嫁真似事のキスをして
猫八にまだ及ばぬか老鶯
五月病道理でいい句ばかり出来
保育所の小悪魔たちの昼寝時
平成と書いて修正心太
リリと鳴るはずの鈴蘭鳴らぬまま |
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