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これまでの滑稽俳句大賞受賞作品
第一回 第ニ回 第三回 第四回 第五回 第六回 第七回 第八回
第九回 第十回 第十一回
第一回滑稽俳句大賞
 
兵庫県 田菲路

牛の名で呼ばれ賞受く菊日和

 
滋賀県 高橋素子

昼は畑(はた)耕す手もて神楽舞ふ

 
愛知県 可知豊親

風鈴を上五に吊し風を待つ

 
 
不景気は地球の外へ初箒
うたた寝に紙縒近づく小春かな
ねこ少しずらし窓辺に日向ぼこ 
のどけしや窓あけたがる課長補佐
〇×で学び□の卒業子
去年今年貫く棒を杖として
先生に土筆のみやげ書道塾
ぬす人萩冤罪ですと縋りつき
袴からブーツ覗かせ卒業す
冬帽に聞き了へし耳しまひけり
母の指借りて足し算菖蒲風呂
愛もあり憎しみもあり毛糸編む
妄想は白い部分の水着あと
勲章の鋳型摩耗や文化の日
独り身でなけれど秋刀魚ほろ苦き
青空に顎突き出して梅見かな
雪女ひと風呂浴びていなくなる
ボクシングめく蟷螂の身の構え
蚊ブンブン糖尿の血を吸い給え
三日目のおでんに添ゆる置手紙
不揃ひを詫びて届きし母の芋
雪女待合椅子の濡れたるは
奥の間は牛鍋囲む僧侶らし
眠る山頭を踏みて富士拝む

西本 幸
小林ケサ雄
原田 曄
伊藤とら
飛田正勝
杉村福郎
高橋成知
大成重子
加川すすむ
山本あかね
鏡渕和代
高橋真紀子
伊藤静雄
金山敦観
松井和恵
今城夏枝
福田 章
笠 政人
佐藤喜雄
安井千佳子
清水呑舟
田代青波
龍田雅文
三橋真砂子

 
 
審査方法と結果

応募作品964句の予選を事務局で行い、320句について審査選考対象としました。審査員には、おひとり15句を選んでいただき、上位5句については、10点、8点、6点、4点、2点とし、残り10句は1点として集計しました。

審査員は、小松正幸(愛媛大学学長)、復本一郎(俳文学者)、本阿弥秀雄(『俳壇』出版)、中村陽三(元・電通副社長)、山元志津香(俳人)、八木健(滑稽俳句協会会長)の6名です。

 
審査員のコメント
復本一郎先生

 全320句の作品。大変面白く拝見させていただきました。選をするにあたって気をつけたことは、本賞があくまでも「滑稽俳句大賞」であるということでした。
 単なる滑稽句でしたら、私が選んだ15作品以上に面白い作品がいくつもありました。が、私は「滑稽」と同じく、あるいはそれ以上に「俳句」であることを強く意識しながら、選をさせていただきました。
 俳句作品としてリッパに通用するということ、すなわち上質の俳句作品であるということです。その視点からの15作品です。
 ややおだやかに過ぎるとの疑義が提出されるかもしれませんが、各作品ともに、そこには、ほのぼのとした「笑い」が感じられるのではないかと思います。読者をなごませてくれるような作品です。そんな作品が私は好きなのです。