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2025年6月の滑稽句 |
*今月の特選句・秀逸句以外の佳句を青字で表示しています。
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着地した所に住みつき花咲かす |
青木輝子 |
四月馬鹿育児書読んで鬱になり |
青木輝子 |
更衣老いても多少ときめけり |
青木輝子 |
賑はひの記憶は薄れ葉桜に |
井口夏子 |
お仕置きしたい夏風邪のエヘン虫 |
井口夏子 |
まばたきの瞬間太り鯉のぼり |
井口夏子 |
政治家の少子化論議梅雨の入り |
池嶋久春 |
水無月や外で会う孫すまし顔 |
池嶋久春 |
植木市植木買うより家が先 |
池嶋久春 |
散ることは百も承知よ花は花 |
池田奈美子 |
葉の裏の白きが蓬祖母に聞く |
池田奈美子 |
訪ね来よ白木蓮を目印に |
池田奈美子 |
モデル見たかドレスも見たかファッションショー |
池田亮二 |
先生も不登校ですかと五月病 |
池田亮二 |
花見酒帰路に検問あると聞く |
伊藤浩睦 |
米高し花見弁当は出前ピザ |
伊藤浩睦 |
同窓会の知らせにワクワク風薫る |
稲葉純子 |
さくらんぼ弾けて君の唇に |
稲葉純子 |
頼みもせぬに伸び若竹の心意気 |
稲葉純子 |
燕の旅に同行したき海の上 |
井野ひろみ |
筍掘り婆の食欲衰えず |
井野ひろみ |
物忘れ認知症かも花は葉に |
井野ひろみ |
目の奥に渓流山女焼き上がる |
上山美穂 |
草青む歯科医師牛の歯をのぞく |
上山美穂 |
太陽の塔は腕白昭和の日 |
卯之町空 |
万博のミャクミャク可愛い初夏の海 |
卯之町空 |
ボッティチェリの女神の如き牡丹かな |
卯之町空 |
四万十の空に五千の鯉のぼり |
梅野光子 |
ふるさと談義蚕豆を味はひつ |
梅野光子 |
春宵の宴果てたる星の道 |
柄川武子 |
花だより神戸大阪南紀より |
柄川武子 |
春うららひと日の散歩ふたりして |
柄川武子 |
鬼太鼓地球の鼓動に違いない |
遠藤真太郎 |
薬狩ワークオフの趣味超えて |
遠藤真太郎 |
亀の子の池の柵越え知る自由 |
遠藤真太郎 |
四月尽冷房暖房繰り返し |
大林和代 |
風を待つダンスの好きな小手毬よ |
大林和代 |
聖五月けふの卵の茹で加減 |
大林和代 |
松山に秋山兄弟秋の山 |
沖枇杷夫 |
古ぼけた自転車多しリラの街 |
沖枇杷夫 |
キッチンに梅の香転げヘタを取る |
加藤潤子 |
月下美人咲いたと思えばクジャクサボテン |
加藤潤子 |
揚羽蝶孫が欲しいと強請られる |
門屋 定 |
蜜を吸う鳥は来ないか落椿 |
門屋 定 |
松の花孤高とも見ゆ立姿 |
門屋 定 |
歌がるたパソコン使うて突き指し |
北熊紀生 |
遅日なり吞んでる時間変わりなし |
木村 浩 |
遅日なり朝寝の罪も軽くなる |
木村 浩 |
松山の烏野豌豆笛にせよ |
工藤泰子 |
駅うららアンパンマンの列車着く |
工藤泰子 |
七星の勲章背負ふ天道虫 |
工藤泰子 |
キャッチボールに怒声の混じり夏めけり |
黒田恵美子 |
ノコノコと亀の目覚める夏初め |
黒田恵美子 |
花は葉にカラスそろそろ子育てに |
黒田恵美子 |
軍隊蟻躑躅の花道行軍す |
桑田愛子 |
ザラメザラザラバラストに薄暑光 |
桑田愛子 |
どの子にも尾を振つてみせ鯉のぼり |
桜井美千 |
たんぽぽの絮に自由や風まかせ |
桜井美千 |
紅灯の桜も散りておさらばえ |
敷島鐵嶺 |
このごろの苺は甘くなり過ぎる |
敷島鐵嶺 |
万博で聞く津軽弁修司の忌 |
敷島鐵嶺 |
鮎のぼる株価流れる掲示板 |
上甲 彰 |
干いかの臭いをつれて風来たる |
上甲 彰 |
子の本音親の建て前春の鬱 |
白井道義 |
銅像の頭の天辺に燕来る |
白井道義 |
父音痴母も音痴やこいのぼり |
白井道義 |
長男に生まれしさだめ鯉のぼり |
鈴鹿洋子 |
丸焦げの山を映せし水田かな |
鈴鹿洋子 |
サクラ観て来た心臓と寝る |
鈴木和枝 |
ワクチンが良く効いているサクラサクラ |
鈴木和枝 |
まだ売れぬ顔のきびしき武者人形 |
髙田敏男 |
風神の思うままなり五月鯉 |
髙田敏男 |
微笑むは千手観音去る百足虫 |
髙田敏男 |
春愁の値札米価の高止り |
田代輔八 |
鷹鳩と化してチワワと鬼ごつこ |
田代輔八 |
ハモニカと徘徊の鳩花の酔 |
田代輔八 |
要件に呼びつけられる目借時 |
田中 勇 |
春の宵飛田新地を闊歩せり |
田中 勇 |
散る桜国難数多待ち受ける |
田中 勇 |
蚕豆の下向くことは許されず |
田中やすあき |
師の家はキャベツ畑の隣りなり |
田中やすあき |
春らしさ行きつ戻りつ今日になる |
谷本 宴 |
てらてらの若葉に映る笑顔かな |
谷本 宴 |
雨蛙お腹なでなでねんねんよ |
谷本 宴 |
みどりの日翔ける君の背追う声援 |
千守英徳 |
走るわが背中を押すは麦秋の風 |
千守英徳 |
更衣今年も誓うダイエット |
千守英徳 |
金券の期限に慌て三月尽 |
月城花風 |
恋猫の素通りしてる視力表 |
月城花風 |
ロザリオをすり抜け首へ藪蚊刺す |
月城花風 |
鬘(かつら)飛ぶ時代劇ロケ風光る |
土屋泰山 |
祝日も引っ越しするかみどりの日 |
土屋泰山 |
叩かれて息かけられて紙風船 |
土屋泰山 |
飛ぶ燕ぶつかりさうに朝の道 |
百目鬼強 |
退院や巌窟王めく髪洗ひ |
百目鬼強 |
ラムセスの木乃伊もいびき昼寝かな |
百目鬼強 |
花冷と整形外科の医者が言ふ |
尚山和桜 |
白梅と言へぬ紅梅とも言へぬ |
尚山和桜 |
電車がたと動きて四月始まる |
尚山和桜 |
凛としてロング・ミニ・ミディ街薄暑 |
長井多可志 |
辛党と気付いてからの木の芽和え |
長井多可志 |
手紙きて心もまるごと更衣 |
長井知則 |
凛として歳重ねても白重ね |
長井知則 |
春炬燵浮世のことをぺちゃくちゃと |
永井流運 |
田水張り能登半島は生き返る |
永井流運 |
メーデーの相手は家の中にいる |
永井流運 |
明易やこむら返りで目の覚めて |
長尾七馬 |
青嵐着ているものを剥がさむと |
長尾七馬 |
夕餉までつまむものなし春の昼 |
長尾七馬 |
千枚田水満満と夏の月 |
西野周次 |
若葉風十指跳ねあげ弾くボレロ |
西野周次 |
メタボの訳のあるようでない鯉のぼり |
花岡直樹 |
麦秋やバックの山も爆笑し |
花岡直樹 |
クラフトと地ビール競う春の暮 |
花岡直樹 |
揚げひばり雲を摑みに行つたきり |
久松久子 |
リーダーの居るかに並ぶ初つばめ |
久松久子 |
故郷のペよぺよ言葉山わらふ |
久松久子 |
手に包む湯呑新茶のたつぷりの |
日根野聖子 |
夏めけばコーヒーゼリー買ふことに |
日根野聖子 |
どの薔薇も輝かせむと五月来る |
日根野聖子 |
夕立に遭う度毎に傘を買い |
細川岩男 |
ほっと一息緑蔭に風走る |
細川岩男 |
入梅と聞いてうんざり顔となり |
細川岩男 |
草団子好きな彼女を好きになり |
ほりもとちか |
学校をサボり雲雀の巣を探す |
ほりもとちか |
初花やわたしは二番目に咲くよ |
ほりもとちか |
桜餅寡婦ばかり寄る昼下がり |
松浦百重 |
一枚のちらし熟読春の昼 |
松浦百重 |
車窓より富士を見逃し眠き春 |
松浦百重 |
野球児もキラキラネーム春の空 |
三木雅子 |
揺り椅子にひとり揺られて春の昼 |
三木雅子 |
九官鳥ものまねうましあたたかし |
三木雅子 |
花筵小さくのべて二人かな |
水本明日香 |
一枚は手のひらほどや春子焼く |
水本明日香 |
富士山の見える席なり春の旅 |
水本明日香 |
鋭角に跳ねて狭庭の五月の陽 |
南とんぼ |
南極が小さくなったと初燕 |
南とんぼ |
山笑う富士も浅間も装いて |
南とんぼ |
菖蒲湯に抜けたる邪気は百グラム |
峰崎成規 |
逆風を食むが身上鯉幟 |
峰崎成規 |
指紋認証かと思ふ鬼浅蜊 |
椋本望生 |
はつ夏のラジオ体操ンぽぽンン |
椋本望生 |
すつぽんで終はるしりとり朧の夜 |
椋本望生 |
筍に戻れぬ高さ風静か |
村越 縁 |
契約の更新通知と燕来る |
村越 縁 |
渋滞と無縁農道の田植え機は |
村越 縁 |
値上がりの米姿消す五月かな |
村松道夫 |
春の雨合羽をまとふ犬散歩 |
村松道夫 |
親と子の距離を縮める石鹸玉 |
村松道夫 |
へその緒の仲間とも見え麦のひげ |
森岡香代子 |
薔薇の知恵下を向きつつ雨しのぐ |
森岡香代子 |
蕗の葉の大屋根支える筋は鉄骨 |
森岡香代子 |
正しくは中高(なかだか)わかめのアクセント |
八木 健 |
過剰防衛筍の毛むくじやら |
八木 健 |
青竹の齢は十八前後かと |
八木 健 |
ゴールデンウィーク初日の二日酔い |
八塚一靑 |
小満の日にカステラを厚く切る |
八塚一靑 |
カチカチのソフトクリームいとおかし |
八塚一靑 |
上を向き過ぎて躓くサングラス |
柳 紅生 |
おむすびは心の絆山登り |
柳 紅生 |
朝夕の鴬の音の耳福かな |
柳村光寛 |
春疾風右顧左眄する日本丸 |
柳村光寛 |
陽炎やピント合わせを諦める |
柳村光寛 |
春の人散歩させたるワンコかな |
山岡純子 |
ウォーキング身体も心も五月晴 |
山岡純子 |
子雀に笑われている寝ぼけ顔 |
山岡純子 |
宇和島の伊達家由来の上り藤 |
山下正純 |
画数も花も数多の躑躅かな |
山下正純 |
きらきらの海に泳いでいる鰹 |
横山洋子 |
少子化か一羽で待つや燕の子 |
横山洋子 |
赤いバラ散るのは早いちよつと待て |
吉川正紀子 |
やんちやもの勢揃ひなり葱坊主 |
吉川正紀子 |
山々を逆さに映し五月のダム |
吉川正紀子 |
新茶の香母は薄目を開けたまふ |
渡部美香 |
この胸のやつれがばれる薄暑かな |
渡部美香 |
お喋りの突然やみてもう昼寝 |
渡部美香 |
山城の威風堂々老桜 |
和田のり子 |
チャップリンデー踊りたくなる四月かな |
和田のり子 |
菜の花の幻の波泳ぐ夢 |
和田のり子 |
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