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157回 俳句遊遊

147回 川柳天国


   
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第十七 回滑稽俳句大賞審査結果発表
大賞は木村たけまの作品に決定致しました!
大賞 大 賞 木村たけま (山口県)

糟糠の妻の朝寝につまづきぬ
二丁目の猫五丁目に恋をして
逃げ足のどれが百足の第一歩
自分史はいま終章の紙魚走る
詩を詠んでをれば草でも引けと言ふ
身八つ口あふいで背ナに団扇風
松茸山制札なくば知れぬのに
白息のしどろもどろに遅刻の子
人肌の燗を所望と雪女郎
日記買ふ妻無駄と言ふさう思ふ


詳細および入賞作品はこちら   
 

第十二回滑稽俳句協会報年間大賞決定!
 
天 賞 田中やすあき(埼玉県)
「犬掻きの鼻先に来る夏の波」
地 賞 北熊紀生(東京都)
  「霜柱踏まねば損をするやうな」
人 賞 長井多可志(千葉県)
  「落葉にもA面B面ありにけり」

詳細はこちら   
 

今月の特選句

子も四十大人ばかりのこどもの日

桜井美千

五月五日の「端午の節句」は男児限定だったが、戦後いち早くジェンダレス時代を予見してか「こどもの日」に。少子化で大人の日となる子どもの日。

聴診器の胸に貼りつく夏に入る

田中やすあき

春から夏になった季節の変わり目の微妙な変化を上手くとらえた。五感の中でも皮膚感覚でその実感を表現したところも新しい。季語も効果的。

分身に痛くはないか心太

北熊紀生

心太を擬人化した句はいろいろあるが、網目を通り抜ける痛みを心配する句は無かった。確かに可哀相だが、かたまりのままでは食べにくいなあ。

花びらを散らし普通の木にもどる

上山美穂

桜は春の季節の大スターである。花がある間は大勢の人から注目され、写真に撮られ、夜間は照明もあてられる。葉桜になりて日常取り戻す。

いつまでも高値いやがるキャベツ

鈴木和枝

価値が上がったと威張れるのに、値上げは嫌らしい。たとえブランド化されても庶民の味方でいたいのだ。「春みどり」歌手ではないよキャベツだよ。

春愁を刈り取つてくれ床屋さん

柳 紅生

不揃いに伸びた髪や髭を床屋さんで整えてもらうと気持ちもスッキリ。ついでに春愁も一緒に取ってもらおう。滑稽句出来て春愁何処へやら。


 今月の秀逸句  七七をつけてみました

 
  逆走の馬に歓声草競馬 横山洋子
    ・・・馬にも反抗したき時あり
 
  飢うる子に文学無力芋を植う 上甲 彰
    ・・・飽食の子に芋は無力で
 
  困ります花の下にて死なれては 伊藤浩睦
    ・・・うろたへてゐる西行法師
 
  パンツとはズボンに非ず昭和の日 長井多可志
    ・・・令和の時代ズボンはレトロ
 
  海の日に我が島探す地球儀で 沖枇杷夫
    ・・・世界の中の海洋大国
 
  世知辛い世間話も吹き流し 長井知則
    ・・・聞き流すのも世渡りの知恵
 
  濁世に物申すべく蟾蜍(ひきがえる) 西野周次
    ・・・両の手ついて威厳をたたへ
 
  茎立や次男家去る由のあり 峰崎成規
    ・・・独り立ちする時の来たりて
 
  大人ぶるパセリむしゃむしゃ食べてみせ 加藤潤子
    ・・・苦味は滋味と分かつてきたか
 
  わたくしもレトロとなりて昭和の日 鈴鹿洋子
    ・・・ヴィンテージてふ価値も加はり
 
  名乗る名を持たぬ古墳を春の風 桑田愛子
    ・・・美田遺さず古墳遺さう
 
  田の水に腹を映して燕飛ぶ 梅野光子
    ・・・水飲み水浴び自由自在よ
 
  住宅事情ありて泳げぬ鯉のぼり 山下正純
    ・・・四万十川で泳ぐさだめに


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