| 声はまだ誰も知らずや山笑ふ |
高田敏男 |
| 山が声たてて笑ったら、賑やかを通り越して騒々しいだろうよ。桃のふふふ、桜のほほほ、まだ眠ったままの山の鼾も混じる。 |
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| 人寄せのさくらなんですさくら貝 |
伊藤浩睦 |
| 芝居小屋で、演出をサポートして声をかける役を「さくら」と呼び、後に露天商の偽客の呼び名になった。さくら貝の「さくら」に、二重の意味。 |
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| 上がるのは物価・血圧・揚げひばり |
田村米生 |
| 上がらないのは、五十肩の腕、風采、春寒の気温…、まだある。上がらないのは、北朝鮮のミサイル、内閣支持率…ああ、これは下がるに分類。 |
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| つくしは筆アスパラガスは万年筆 |
日根野聖子 |
| 確かに形からして「ぴったり」ですね。白菜は前頭葉、にんにくは団子鼻。ゲジゲジは眉、椎茸は木の耳、頭髪はツバメの巣。 |
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| 一番になれずに荒れた春嵐 |
石川節子 |
| 春一番に先を越された春の風が、拗ねて大暴れをしたのが、春嵐となった。四月初めの強風は、一番になれなかったことが理由だったとは。 |
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| 佐保姫のまずは花屋に立ち寄れり |
高橋素子 |
| 今年、春がなかなかやって来なかったのは、佐保姫が寄り道していたから、という思い込みの句である。しかし、事実は、大朝寝と思うが…。 |