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156回 俳句遊遊

146回 川柳天国


   
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第十七 回滑稽俳句大賞審査結果発表
大賞は木村たけまの作品に決定致しました!
大賞 大 賞 木村たけま (山口県)

糟糠の妻の朝寝につまづきぬ
二丁目の猫五丁目に恋をして
逃げ足のどれが百足の第一歩
自分史はいま終章の紙魚走る
詩を詠んでをれば草でも引けと言ふ
身八つ口あふいで背ナに団扇風
松茸山制札なくば知れぬのに
白息のしどろもどろに遅刻の子
人肌の燗を所望と雪女郎
日記買ふ妻無駄と言ふさう思ふ


詳細および入賞作品はこちら   
 

第十二回滑稽俳句協会報年間大賞決定!
 
天 賞 田中やすあき(埼玉県)
「犬掻きの鼻先に来る夏の波」
地 賞 北熊紀生(東京都)
  「霜柱踏まねば損をするやうな」
人 賞 長井多可志(千葉県)
  「落葉にもA面B面ありにけり」

詳細はこちら   
 

今月の特選句

裏表噓を表の万愚節

森岡香代子

なるほどね。物事にある「表裏」「善悪」「建て前と本音」「光と影」は、それぞれが表裏一体。四月一日は裏が表にひっくり返り嘘がまかり通る日。

目の奥に春の憂鬱のある埴輪

谷本 宴

埴輪の目は眼球がない。だけど空洞の目がある。その空洞に何を感じるかは、見る人次第。埴輪の目は、埴輪の気持ちとも作者の気持ちとも。

たんぽぽや黄色に生まれてよかったね

井口夏子

擬人化の句だが、作者はたんぽぽと友達になって語りかけている。こういう擬人化もあるんだね。読者の心をふんわり、ほんわかとさせるのがいい。

まつすぐに生きて切なし猫の恋

黒田久美子

普段は上品なのに恋の季節には狂ったように本能を剥き出し一途である。「切なし」ということは恋は成就していない。よいご縁がありますように。

さくらさくら散りながら居場所探します

大林和代

桜の花びらは、散りながらどこに着地しようかと迷うものなんだね。風のいたずらで、納得のゆかぬままに着地させられる気の毒な花びらもある。

蕗の薹苦味の分かるお年頃

稲葉純子

甘い、辛いだけでなく、苦味に旨味を感じるのは何歳からだろうか。苦味が美味しくなるのは、味を感じる細胞が減るから。つまり老化らしいよ。


 今月の秀逸句  七七をつけてみました

 
  春一番よろめいてます高齢者 青木輝子
    ・・・「美徳のよろめき」かもしれぬ
 
  レアメタル毟り取らむと春疾風 和田のり子
    ・・・下心をば表に出して
 
  この漢字ルビにびっくり風信子(ヒヤシンス) 井野ひろみ
    ・・・最初は誰も読めないものよ
 
  切り出せぬ別れの言葉春炬燵 池田奈美子
    ・・・足が仲良くしてたら無理よ
 
  囀やたまに泣き言あるかもね 岡本やすし
    ・・・それは最後に残つた一羽
 
  SLのやうな音たて春の雷 上山美穂
    ・・・サイズにあらず蒸気機関車
 
  告白は一日延ばし四月馬鹿 白井道義
    ・・・四月は二日以降がいいね
 
  スリッパの上で寝てゐるうかれ猫 水本明日香
    ・・・寝床で休まず迂闊猫とも
 
  行き先をもう決めている恋の猫 三木雅子
    ・・・アタックすると決意も固く
 
  凛として触るなと言う白椿 南とんぼ
    ・・・散り際じつと見極めてをり
 
  花疲れ乗り越しもよし山手線 峰崎成規
    ・・・山手線には終点ないから
 
  かぎっ子のぶらんこ一番星を蹴り 柳 紅生
    ・・・きつとその子は足長となる
 
  頑固者たうとう引いた春の風邪 吉川正紀子
    ・・・風邪を引いたと決して認めず


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