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150回 俳句遊遊

140回 川柳天国


   
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第十七回滑稽俳句大賞 作品募集
 
 

第十二回滑稽俳句協会報年間大賞決定!
 
天 賞 田中やすあき(埼玉県)
「犬掻きの鼻先に来る夏の波」
地 賞 北熊紀生(東京都)
  「霜柱踏まねば損をするやうな」
人 賞 長井多可志(千葉県)
  「落葉にもA面B面ありにけり」

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今月の特選句

白地着て筋金入りのへそ曲り

白井道義

暑い季節は、白色の衣服が涼やかでいい。白地は夏の和装ですな。筋金入りは本格的なへそ曲りというわけだ。「浴衣着て」ではさまにならない。

逢ひ引きの蚯蚓しの字に干涸びて

壽命秀次

雨の後は土中に水が入り込んで空気が減り、酸欠になるので、蚯蚓は地上に出て来るのだとか。土中でゆっくり逢えばよかったが油断したのだ。

針の穴見つけて通る大西日

森岡香代子

大西日はどんな所だろうと見逃したりはしない。最近は狭い所はちょっと苦手でなんてことはないのだ。そこに大西日の存在感というものがある。

なめくぢり進む原理が解らない

椋本望生

なめくじは「足波」と呼ばれる筋肉で動く。滑りをよくして、皮膚を守るために粘液を出しながら進む。しかし、原理が解らないからこそ詩になる。

炎天下豆を煎るかに砂の浜

吉川正紀子

炎天下の砂浜は裸足では歩けない。焼けたフライパンの上に載るようなものである。豆を煎るかにとはよくぞ言ったりだね。熱消毒にはいいかもね。

生ビール一杯二杯が五六杯

細川岩男

簡単なつくりの句だが、分かりやすくて共感を呼ぶ。その場の雰囲気もよく出ている。日常のヒトコマが言葉のスナップ写真として切り取られた。


 今月の秀逸句  七七をつけてみました

 
  シャッター街は過去へのトンネル八月尽 日根野聖子
    ・・・みんなネットで買ふからいかん
 
  黄の付箋肘にはりつく残暑かな 浜田イツミ
    ・・・赤い舌だしかき氷食べ
 
  老鶯のみだりに外す節回し 西野周次
    ・・・谷渡りにも長短のあり
 
  聞こえぬか聞こえぬふりか夕端居 長井多可志
    ・・・身元不明で誰そ彼はと
 
  すててこですっとこどっこい朝昼晩 土屋泰山
    ・・・ひがないちにち軽佻浮薄
 
  退屈の風鈴風のパンチ待つ 井口夏子
    ・・・手応えのある相手が欲しい
 
  ゆらゆらかふらふらなのか夏の蝶 稲葉純子
    ・・・暑すぎるからよれよれなのよ
 
  ハンカチを貸して別れてそれつきり ほりもとちか
    ・・・安物だからよかつたけれど
 
  吐く息に極暑の色のありにけり 大林和代
    ・・・吸ふ息にある焦げる臭ひよ
 
  ひと切れの西瓜を食べるいのちかな 岡本やすし
    ・・・命をいただき命をつなぐ
 
  浴衣着てラムネしゅわっと夏祭 梅野光子
    ・・・夜店ひやかしだらだら歩く
 
  片蔭に卒爾乍らと火を借りて 伊藤浩睦
    ・・・風を背にして手で庇ひつつ
 
  依怙贔屓ばかりしている流れ星 永井流運
    ・・・流れる時に目をとぢる癖


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