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139回 俳句遊遊

129回 川柳天国


   
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第十六回滑稽俳句大賞 作品募集!

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第十一回滑稽俳句協会報年間大賞決定!
 
天 賞 工藤泰子(岡山県)
「なかほどにお詰め下さい鰯雲」
地 賞 上山美穂(愛媛県)
  「電柱も棒立ちとなり冬の朝」
人 賞 森岡香代子(愛媛県)
 

「ほんとうはみんなかなづち鯉幟」


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今月の特選句

神様は軽トラに乗り秋祭

長井多可志

宮出しをされたご神体は、朝方、神輿に載せて担がれて、夕 方には宮入となる。神輿の担ぎ手がなくなって軽トラになった 現代の滑稽が描かれた。

天の川死は平等に訪れる

田中 勇

天の川を見て宇宙の広がりと時の悠久を思う時、万物の無常 を感じる。人生は人それぞれだが、もれなく訪れる死の平等を 実感するのだ。

割り勘に端数のできて十三夜

田中やすあき

さて、店を出ようと幹事さんが会計を計算すると端数が出た。 よし、もう一軒行って、そこで割り切ろう。それでもだめならもう 一軒行くさ。

まるごとの栗が嬉しい栗ご飯

岡田廣江

嬉しさを素直に描いたのがよろしい。家庭によって、丸ごとな のか小さく切るのか作り方もいろいろだが、栗の大きさや秋の 豊かさが表現された。

秋の浜誰にも見せぬ膝小僧

谷本 宴

夏の水着では隠しようもないが、秋の浜辺ではスカートの裾を 少し持ち上げて歩いてみた。誰に見せることも見られることも ない秋の海である。

全山に放火たくらむ七かまど

峰崎成規

ナナカマドの赤が飛び火すれば大変なことになる。それほど に実の赤色は火力が強い。あの色は全山に放火を企んでい るとみて間違いないだろう。


 今月の秀逸句  七七をつけてみました

 
  脇役のやうやく出番秋刀魚焼く 白井道義
    ・・・この頃お値段主役級なり
 
  満月や大風呂敷に包みたし 和田のり子
    ・・・保管しておく小屋も造らむ
 
  虫時雨お国訛りの隔てなく 月城花風
    ・・・虫にはあらず標準語など
 
  指揮棒の風振りやまず猫じゃらし 井口夏子
    ・・・統率力はカラヤン顔負け
 
  膝頭秋の終わりと洗いけり 久我正明
    ・・・綺麗な膝は炬燵に入れむ
 
  読みもせぬ本にはさみし散紅葉 加藤潤子
    ・・・俳諧にある侘び寂び「栞」
 
  屋上に車止めればアキアカネ 山本 賜
    ・・・俳句に詠んでもらいたかつたか
 
  手の届くところに空や曼珠沙華 相原共良
    ・・・突然空から降つたかに咲き
 
  卒塔婆のやや傾きて小春の日 遠藤真太郎
    ・・・これ見て婆が卒倒したとか
 
  台風の袋叩きに遭ふ花壇 川正紀子
    ・・・造つてやりたい鉄製の蓋
 
  溺るるも良しコスモスの海ならば 西野周次
    ・・・溺れる前に香りに酔ひたし
 
  目を凝らすほど見損じる流れ星 山内 更
    ・・・凝視するなと目を懲らしめる
 
  愛でられる新米を妬く古米かな 横山洋子
    ・・・そんな古米は焼餅にせむ


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