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137回 俳句遊遊

127回 川柳天国


   
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第十六回滑稽俳句大賞 作品募集!

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第十回滑稽俳句協会報年間大賞決定!
 
天 賞 花岡直樹(愛媛県)
「行く年をスピード違反で逮捕せよ」
地 賞 藤森荘吉(東京都)
  「簡単な話もつれる夜長かな」
人 賞 上山美穂(愛媛県)
 

「透明な線を描いて燕とぶ」


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今月の特選句

犬掻きの鼻先に来る夏の波

田中やすあき

犬かきで沖に向かって泳ぐのは大変だね。なかなか進まない。泳いでいるのは作者で人間なのだが、まるで自分が犬になったような感覚になる。

わらつちやうくらい金持ち黄金虫

谷本 宴

もしも黄金虫が純金でできていたら…。確かに笑いが止まらないね。もしも、太刀魚がプラチナでできていたら…。哀しいニュースより楽しい空想を。

私からこぼれたやうに花柘榴

山本 賜

筒状の肉厚の萼に包まれて、八重の花をつける。観賞用で実はつけない。紅い花の少ない時季にひときわ目をひく。こぼれたのは情念か慈愛か。

水割に夏の音させショットバー

吉川正紀子

いきつけのバーに行く。顔なじみの常連に会釈をしてカウンターに座る。「いつもの」と言えば、バーテンダーが好みの味をマドラーでひと混ぜ。

天守閣でんぐり返し夏燕

西野周次

天守閣の側で燕がくるりと宙返りするように飛んだ。その瞬間、作者は燕と一体になり燕の視点になったのである。天守閣はぐるりと一回転。

無尽蔵の滝浴び心無一物

柳 紅生

瀧水を浴びる時、それほど信心の心はなくとも敬虔な気持ちになるものである。尽きることのない水を一身に受けていると、心が洗われ空っぽに。


 今月の秀逸句  七七をつけてみました

 
 いい人で終はるいい人心太 長井多可志
   ・・・強い個性も手ごたへもなし
 
 白百合のあち向きなれどよくにほふ 相原共良
   ・・・背面からも美は醸さるる
 
 子どもみな退屈してる鵜飼船 遠藤真太郎
   ・・・魚屋さんで買えばいいじゃん
 
 どの色も味はおんなじかき氷 石塚柚彩
   ・・・ぜえんぶ食べてやつと気がつく
 
 男料理はどれもざつくり夏大根 稲葉純子
    ・・・男料理を褒めて手を抜く
 
 恋の行方知るや木蔭の赤電話 花岡直樹
   ・・・恥ずかしくつて未だ赤面
 
 指揮はかのベートーヴェンや大夕立 上山美穂
   ・・・びしよ濡れとなる運命ジャジャン
 
 炎天や五七五が字足らずに 岡田廣江
   ・・・極寒なれば字余りとなり
 
 父撃たる母の狙ひし水鉄砲 白井道義
   ・・・スナイパーの過去隠しきれずに
 
 全身浴させて紫陽花生き返る 和田のり子
   ・・・その技の可否水掛論に
 
 魂の抜ける瞬間かき氷 月城花風
   ・・・アイスクリーム頭痛で目覚め
 
 冷蔵庫の中は空っぽ八月尽 桑田愛子
   ・・・白もの家電の買ひ替へ時か
 
 夏期賞与入るその日が返済日 髙田敏男
   ・・・拝むことなく賞与は失せて


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