| お問い合わせ | ご利用にあたって | 

ホームへ

 


               
バックナンバーはこちらから
2024年3月の滑稽句
*今月の特選句・秀逸句以外の佳句を青字で表示しています。

二ン月の眠れる木々を揺り起こし 相原共良
天空の郷の干し藷「ひがしやま」 相原共良
鶯の陽気な声に目覚めけり 青木輝子
破れかぶれ当たって砕けた四月馬鹿 青木輝子
大風呂敷広げてハッチャケ年忘れ 青木輝子
初糶(せり)のマグロ一億超平和 赤瀬川至安
火野正平危険があぶない葱畑 赤瀬川至安
卵酒ひとはそれほど強くない 荒井 類
歯固めや八○二○夢の夢 荒井 類
プーチンを憎めど無言なるペチカ 荒井 類
節分の夜や鬼嫁無口なる 井口夏子
息白し厠見つけて猛ダッシュ 井口夏子
寒くはないかい水槽の魚たち 井口夏子
新成人迎える大人も幼な顔 池田亮二
木枯しが骨身にしみてなわのれん 池田亮二
伊勢海老の取り合いに負け蛸を食む 伊藤浩睦
黴餅を捨てろ捨てぬと小正月 伊藤浩睦
夜更かしの寝惚け眼に初日の出 伊藤浩睦
節分や隣家の鬼役我が亭主 稲葉純子
人間が勝手に命名いぬふぐり 稲葉純子
突然や孫の手ぬつと春障子 稲葉純子
節分会赤鬼の来てツーショット 井野ひろみ
バレンタインついでにと買ふ夫の分 井野ひろみ
大試験婆は寡黙を心得て 井野ひろみ
駐車場は枯葉のタップダンス場 上山美穂
冬の夜の夢を脱出まぶた開け 上山美穂
指先の破れ手袋スマホ用 上山美穂
針山はハットの形針供養 卯之町空
揉み蓬そっと載せけり膝小僧 卯之町空
細枝をぶらんこにして鵙一羽 梅野光子
赤椿つばきの句碑を囲みたる 梅野光子
冬の月川面にゆがむ思ひして 梅野光子
自白にも心に秘する斑雪 遠藤真太郎
気球界のフェスティバルかな山笑う 遠藤真太郎
辻褄が合わぬ国境黄砂かな 遠藤真太郎
母の優しさバター醬油の鏡餅 太田和子
お向かいの寄鍋の湯気窓にかな 太田和子
冬の陽のにほひくんくんバスタオル 太田和子
大木に小枝をふやし春がくる 大林和代
またたく間に家の建ちたる余寒かな 大林和代
買いもせず撒かずじまいの年の豆 大林和代
進路決め見上ぐ厳寒の北極星 小笠原満喜恵
寒鰤に箸の止まらずもう一杯 小笠原満喜恵
蠟梅の香につつまれし古き家 小笠原満喜恵
アウェイ戦望むところよ石蕗の花 岡本やすし
俳諧のちからは無限初句会 岡本やすし
旅人や春を探して一句詠む 沖枇杷夫
秋田鍋秘伝は薬喰にあり 沖枇杷夫
冬の炊き出し我にもあらむ慈悲心 沖枇杷夫
飲兵衛に待ったをかけるコロナ風邪 加藤潤子
水洟の元をたどれば飲みし酒 加藤潤子
下灘の今が見ごろの水仙花 門屋 定
年明けて俳誌届けば二月号 門屋 定
寒椿女性も花も化粧する 門屋 定
幼児また昼寝の時間思索せり 北熊紀生
卒業証「法学士」とは僕のこと? 北熊紀生
年金日バレンタインの翌日は 木藤隆雄
食べきるや二回に分けて福の豆 木藤隆雄
商法の見え隠れして恵方巻 木藤隆雄
松の内赤ら顔したえびす顔 木村 浩
松の内暦めくらず屠蘇続け 木村 浩
木の芽ものの芽山岳鉄道の眼 久我正明
葉牡丹は夜な夜な躍るバレリーナ 久我正明
東風吹くや殿様寿司は足で踏む 工藤泰子
本物の土を耕す田打ちかな 工藤泰子
ポケットを叩いて四温日和かな 工藤泰子
本利き猪口や新搾機の寒造 くるまや松五郎
報恩講頭上をめぐる募金笊 くるまや松五郎
梅の樹の苔の早緑草庵の早春 くるまや松五郎
掃きよせる線香の香の落椿 黒田恵美子
白椿月命日の祈りとも 黒田恵美子
いち早くつくしのにがさ春が来る 黒田恵美子
日溜りを丸めて産まれ寒卵 桑田愛子
鳩型サブレ十字に割れて二月尽 桑田愛子
冬晴に置けば石鎚輝けり 桑田愛子
鏡開の終はるや否や恵方巻 佐野萬里子
食べきれぬほどの予約の恵方巻 佐野萬里子
狐の嫁入り海山道神社の節分祭 佐野萬里子
寒稽古褌きりりと振る竹刀 壽命秀次
妻の待つ鯛焼一番我二番 壽命秀次
焼芋屋「来なきゃ行っちゃうよ」の拡声器 壽命秀次
吾が影の八頭身や日脚伸ぶ 白井道義
湯豆腐や男やもめの腹八分 白井道義
初詣龍の如きの長い列 鈴鹿洋子
震度七半島かける虎落笛 鈴鹿洋子
童謡の流れる町や春の雪 鈴鹿洋子
トボトボ歩けばトボトボ人間になるぞ 鈴木和枝
烏追い払う鬼を見たかのように 鈴木和枝
新年や人生日々が日曜日 髙須賀渓山
正月や暦の様に行かぬもの 髙須賀渓山
止らないくさめ昨今の永田町 髙須賀渓山
笑い皺一本ふえて初鏡 髙田敏男
御降と聞いて子どもは服を見る 髙田敏男
悪童の今日は泣いてる二日灸 髙田敏男
演奏会開かれている冬の山 田中 勇
腰かがめ話かけたり冬すみれ 田中 勇
降る雪や童話の世界をひろげゆく 田中 勇
雲水のまた寝坊せり百千鳥 田中やすあき
春寒しなんと小さき時計台 田中やすあき
駱駝から落ちる名騎手春の月 田中やすあき
あかぎれはちよつとビターな出来事と 谷本 宴
頭無き人形世田谷ボロ市 谷本 宴
草食男子の見習ふべきや猫の恋 谷本 宴
冬紅葉弟の背な押す兄の手は 千守英徳
冬温き伊予路を立ちて箱根路へ 千守英徳
川のごと愛媛マラソンの一万人 千守英徳
初富士の座するソーラーパネルかな 月城花風
びんずる様のごとし皸の手も湿る手も 月城花風
水洟を垂らす少年還暦に 土屋泰山
獺祭や寅さんのごと啖呵売 土屋泰山
寒泳や回れ右するZ世代 土屋泰山
この日より良き年であれ節分会 坪田節子
元旦の地殻変動神も泣く 坪田節子
受験の子四人もかかえドキドキよ 坪田節子
晴れ女雨男ゐて春隣 長井多可志
三寒の現場四温のポリティシャン 長井多可志
登記簿に甲句と乙句日脚伸ぶ 長井多可志
そぞろ歩きや寒明の土手ならば 長井知則
想い出の巡り巡って冴返る 長井知則
十歳で一つと数え年の豆 永易しのぶ
マネキンの服はパステル春浅し 永易しのぶ
紅梅は丸し愛らし餡甘し 永易しのぶ
荒波と鍔迫り合ひの冬鷗 西野周次
思ひきりモンローウォーク野に遊ぶ 西野周次
テレビの方に向いて頬張る恵方巻 花岡直樹
木枯に負けてたまるかビール飲む 花岡直樹
冬枯やダム底の橋現るる 浜田イツミ
一升瓶に挿す千両や外厠 浜田イツミ
ちりめん皺なら負けないぞ葉牡丹よ 浜田イツミ
花筏無銭旅行に保障なし 久松久子
冬瓜の尻餅つけども助けなし 久松久子
子に説教さるるも嬉し木瓜の花 久松久子
うすらひは水の角質層ならむ 日根野聖子
人生は果てなき散歩いぬふぐり 日根野聖子
桜雨気分半分酔い半分 細川岩男
老体のやおら目覚めて山笑ふ 細川岩男
流氷やクリオネの旅気まま旅 細川岩男
庭に来るいつもの猫や太郎月 ほりもとちか
大阪は粉もんの街春を待つ ほりもとちか
初泣や心がフリーズしちゃってさ ほりもとちか
血圧のようやく下がる七日かな 南とんぼ
骨密度どんどん落ちて骨正月 南とんぼ
鬼やらい鬼棲む妻が鬼を打つ 南とんぼ
東風吹いて絵馬結願に嘶きぬ 峰崎成規
穴出づる蟻に無休の覚悟あり 峰崎成規
何故爺はそんなに多いの?年の豆 明神正道
春の陽や無言で老いを語る友 明神正道
春検診中くらいなりおらが腹 明神正道
尻餅をつくほどもなし若菜籠 椋本望生
買初のメモの書出しアレの飴 椋本望生
ウィンクをして待って居る達磨市 村松道夫
大寒やにぎやかとなる訃報欄 村松道夫
ふてくされ葉を落としけり大冬木 村松道夫
風の兄弟春四番は末つ子か 森岡香代子
ふきのとう風のささやきまつている 森岡香代子
薔薇の芽やここから未来図はじまるや 森岡香代子
落第の報告倍率をつけ加へ 八木 健
思ひやる潤目に鰯の哀しみを 八木 健
鬼の豆闇に仮想の敵を撃つ 八木 健
蛤がお椀の中で澄まし顔 八塚一靑
重力に介錯される椿かな 八塚一靑
雪卸天上天下シャツをぬぎ 柳 紅生
贅肉の炭火焼きなり置炬燵 柳 紅生
不覚にも財布に風邪をひかせけり 柳村光寛
インバウンドの二礼二拍手冬帽子 柳村光寛
スクワット五回で止める寒夜かな 柳村光寛
あちこちの名物集まる三が日 山内 更
フリースの静電気光る寒夜かな 山内 更
数多ある目の慣用句春眠し 山内 更
風の中春の扉の見え隠れ 山下正純
喉仏の骨を拾うて今朝の冬 山下正純
喧嘩しても鬼にはなれず豆拾う 山下正純
もう少しもう少しで春の野に 山本 賜
踏み出した一歩が重いお正月 山本 賜
悴む手ハッハッハッの息温し 横山洋子
冬ざれの墓地に造花の増えにけり 横山洋子
ショッピングジェンダーフリーの冬の服 横山洋子
身を守る保護色をして蕗の薹 吉川正紀子
擬人化で描く落椿の嘆き 吉川正紀子
梅の香にちょとほぐれたる仏頂面 渡部美香
諍へる老いの二人に春闌ける 渡部美香
バレンタィンの外巻きパーマ初めての 渡部美香
能登の地震日本中が喪に服す 和田のり子
男前の写メール届く成人日 和田のり子
女正月ああやれやれとシュトーレン 和田のり子