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2012年2月の滑稽句

休み田や去年はそれなり今年なほ 青山桂一
柿あまたなだるる枝にしがみつき 青山桂一
【佳作】 枝先に神楽鈴めく枇杷の花 青山桂一
 
飲む飲まぬ食後の薬卵酒 秋月裕子
初雪や椿を濡らすお江戸かな 秋月裕子
【佳作】 手袋や指を仕分けてジャンケンポン 秋月裕子
 
【佳作】 忘年会夫の同席さへ忘れ 麻生やよひ
この嘘の効き目いつまでサンタ来る 麻生やよひ
咳激し乳房の下の筋肉痛 麻生やよひ
 
【佳作】 立春のニュースに街角もピンク 足立淑子
寒のもどり節電は出来かねる 足立淑子
被災地に遠慮がちな残り雪 足立淑子
 
雪解けてあっちこっちに忘れ物 有冨洋二
【佳作】 人のくつ蹴散らしてゆく猫の恋 有冨洋二
 
【佳作】 よく拭くはうぬぼれたくて初鏡 有吉堅二
一人居の鏡と我の初笑 有吉堅二
初日の出拝んでからの二度寝かな 有吉堅二
 
吹雪く夜平然と行くバス憎し 粟倉健二
【佳作】 猫丸く尻尾も丸く春を待つ 粟倉健二
 
【佳作】 薬七種どれが効いたか年迎へ 安藤淑子
対応年数一年減ったぞお正月 安藤淑子
元旦も薬飲み飲みのたりかな 安藤淑子
 
わんにゃんの名も添へてあり年賀状 飯塚ひろし
【佳作】 糸を舐め縒りを利かせし針始 飯塚ひろし
 
【佳作】 今頃はスピーカーから石焼芋 井口夏子
福引の末に並びてティシューかな 井口夏子
反省と力を貰ひ除夜の鐘 井口夏子
 
【佳作】 絆大切手綱も忘るな愛と恋 池田亮二
風蕭々百億両のどら息子 池田亮二
 
【佳作】 超重量家族という名の背布団 石川節子
バレンタイン素知らぬ顔してものほしげ 石川節子
 
猫という倖せな奴寝正月 板倉肱泉
【佳作】 にぎやかに故人を送る寒の僧 板倉肱泉
無頼派のをとこ餅焼き上手かな 板倉肱泉
 
【佳作】 君子欄誉めて用件忘れくる  蘭 伊地知寛
初午や狐面買ふ狸顔 伊地知寛
春寒や素足の犬に厚着させ 伊地知寛
 
少しだけ切羽詰ってゐる師走 伊藤浩睦
有料で二千も撞かす除夜の鐘 伊藤浩睦
【佳作】 湯豆腐の原価は秘密小料理屋 伊藤浩睦
 
悪人も善人も来て初詣 稲沢進一
真つ直に滑れば速きスキーかな 稲沢進一
【佳作】 着ぶくれてゐるやうにみせ皮下脂肪 稲沢進一
 
【佳作】 聖夜とはプレゼントの日子は思い 井野ひろみ
年用意二の次にして温泉へ 井野ひろみ
郵貯にて仕事はじめもティッシュのみ 井野ひろみ
 
【佳作】 初夢も五七五に振りまはされて 今城夏枝
書き初の一句短冊をはみ出せり 今城夏枝
お年玉目当ての子らが玄関に 今城夏枝
 
着る人もまだ生臭き裘 宇井偉郎
風車弾けてもとのセルロイド 宇井偉郎
【佳作】 鬼やらひ遺伝子組替豆で撃つ 宇井偉郎
 
凩に紙も烏も飛び来たる 宇佐美徹郎
年賀にて越の銘酒を戴けり 宇佐美徹郎
【佳作】 音立てて顔の氷の砕けけり 宇佐美徹郎
 
数の子の万粒噛みし卒寿かな 氏家頼一
龍の玉仏の膝へそつと置く 氏家頼一
【佳作】 雪女赤い蹴出しの雪に映え 氏家頼一
 
今年またかなくぎ流の賀状書く 越前春生
襟立てて隠せぬ齢咳一つ 越前春生
【佳作】 年忘れ小鍋の底を焦がしけり 越前春生
 
【佳作】 除夜の鐘薄型テレビの彼方より 奥脇弘久
数の子の入れ歯悩ます祝ひ膳 奥脇弘久
せめてものプラス補正で初写真 奥脇弘久
 
【佳作】 数へ日の月で餅つく兎かな 笠 政人
無愛想な会釈のマスクすれ違ふ 笠 政人
 
豊予海峡風花に押されて渡り来る 加藤澄子
紙コップ両手で受けて暖をとる 加藤澄子
【佳作】 去年今年昨日今日明日我は我 加藤澄子
 
脚立から落ち煤逃を憚らず 加藤 賢
【佳作】 風邪気味と断る音痴律儀なり 加藤 賢
人垣をしりめに古書肆街師走 加藤 賢
 
二階級特進させて聖樹とす 金澤 健
【佳作】 咳一つすれば応ふる十の咳 金澤 健
 
【佳作】 噛み合わぬ会話を交わし日向ぼこ 川島智子
顔の皺柚子湯のゆずで撫でて居り 川島智子
裸木や俳句のようなこけし達 川島智子
 
またしても腹囲の増へて日脚伸ぶ 久我正明
おでん屋の暖簾を分ける鼻の先 久我正明
干し大根ズボンのそばに干してをり 久我正明
 
面妖なことのあるらむ息白し 工藤泰子
【佳作】 半透明から透明へ葛湯掻く 工藤泰子
 
惚れやすき気質直らず寒やいと 倉方 稔
冬帝に占領されたる日本国 倉方 稔
【佳作】 御神籤の自動販売神の留守 倉方 稔
 
初日の出西方浄土に現われぬ 黒田忠一
【佳作】 初釜にお神酒たっぷり楽しめり 黒田忠一
 
【佳作】 今年こそ今年こそはと年迎ふ 小杉 隆
鍬始め猫の額に妻とかな 小杉 隆
病床の杉天井のピカソかな 小杉 隆
 
極楽へ日帰り旅行日向ぼこ 小林英昭
【佳作】 マフラーに絡めとられたのが夫 小林英昭
おでん種うはさばなしのよく沁みて 小林英昭
 
【佳作】 明日に向けふりむかないでまっすぐに 齋藤八兵衛
頑張れば顔晴れとなり福幸す 齋藤八兵衛
復興で幸せ戻し福幸す 齋藤八兵衛
 
携帯の狭き世界や四月馬鹿 酒井鹿洋
箱入りの猫も夜抜けや猫の恋 酒井鹿洋
【佳作】 行年や猫も杓子も携帯狂 酒井鹿洋
 
買初のすてきな奥さん抱いて帰路 佐藤古城
【佳作】 主さんへもそっと下ぞ姫始 佐藤古城
初風呂や女の嬰の怪訝爺の物 佐藤古城
 
大掃除おせち作りと年が行く 佐藤義子
お年玉子供使えず親うれし 佐藤義子
【佳作】 お正月ポッコリお腹を冬の精 佐藤義子
 
ジャンボ干支昇龍の下くぐりけり 佐野萬里子
【佳作】 張り切り過ぎ龍頭蛇尾が見えている 佐野萬里子
成人式センター試験に席ゆずる 佐野萬里子
 
初夢を見ざりしまゝに七日かな 猿渡 仁
【佳作】 手毬唄むすめ攫ふてくび刎ねて 猿渡 仁
 
元旦や脇役人生又一歩 澤田蔦恵
【佳作】 どてら着て自動掃除機目で追へり 澤田蔦恵
 
尺八に秋の七草ゆれにゆれ 柴田真一
【佳作】 どぶろくやとろみに浮かれ腰とられ 柴田真一
初暦一肌脱ぐか辰五郎 柴田真一
 
やんはりとたしなめらるるおでんかな 清水呑舟
【佳作】 まだ続く妻の合掌初詣 清水呑舟
 
【佳作】 幸せは煎餅蒲団ほどになり 下嶋四万歩
年明けて自分の歳に驚きぬ 下嶋四万歩
初夢にしらけてしまひ目覚めけり 下嶋四万歩
 
【佳作】 手品師の福引き仕事の如ゐかぬ 壽命秀次
熱燗や合コン溢る者同志 壽命秀次
携帯を置き煤逃げの一目散 壽命秀次
 
去年今年貫き通す志望校 白井道義
先撮りの正月テレビ見て過ごす 白井道義
【佳作】 着ぶくれて優先席をせまくする 白井道義
 
【佳作】 大根と言えるかどうかこの大根 鈴木和枝
煮込みうどん曇天様が好きらしい 鈴木和枝
つい叱りたくなる線香のもろさ 鈴木和枝
 
【佳作】 凩やぐるぐる回る洗濯機 鈴木哲也
お茶を置きこたつに入りラジオ聞く 鈴木哲也
座席にはずらり並んだクリスマス 鈴木哲也
 
飾海老負けぬ腰元おばあちゃん 高田敏男
【佳作】 七味売効いた振りして咳一つ 高田敏男
 
【佳作】 虎落笛買ってきてねと頼まれぬ 高橋 都
かまいたち狐火もみな裏街道 高橋 都
冬将軍天下とらんと南下せり 高橋 都
 
今ここに生きてる奇跡雑煮食ぶ 高橋マキコ
あて先不明で戻る賀状の人いづこ 高橋マキコ
半額でコートをせしめ冬うらら 高橋マキコ
 
【佳作】 アドレスを教へてしまひ冬の雷 高橋素子
血脈つなぐ一樹の松や冬の蜂 高橋素子
 
【佳作】 粥の中七草かぞへる姑のをり 田中章子
数の子や噛み五七五の音さぐり 田中章子
初荷来る健先生の横浜へ 田中章子
 
【佳作】 ごしちごのつぶやきしたるねしょうがつ 田中 勇
寒ければ旨いなりけり鯛茶漬け 田中 勇
寒ブリを売り物にする店のあり 田中 勇
 
【佳作】 隠したる財布の在り処鵙の贄 田中早苗
涅槃市犬はラジオを聴いてゐる 田中早苗
サミットで疲れし神に早や〆縄  田中早苗
 
煤逃げの亭主吸い込むパチンコ屋 種谷良二
【佳作】 七草粥啜り草食系となる 種谷良二
携帯で仕事の差配冬籠 種谷良二
 
【佳作】 年忘れ記入忘れし予定表 田村米生
福引につられて要らぬ物も買ひ 田村米生
年年と嫌になる顔初鏡 田村米生
 
【佳作】 亡き人の一葉混じる年賀状 土居忠行
書き損じの賀状が当る切手シート 土居忠行
次年度より賀状欠礼の添書あり 土居忠行
 
寒声のファイトソプラノ部活の子 飛田正勝
【佳作】 女正月妻には告げぬ隠し味 飛田正勝
正月や作法守れぬ子も孫も 飛田正勝
 
【佳作】 寒四郎カツカ烏は勘三郎 永島董玉
姦しく男を嬲る女正月 永島董玉
 
どうみても昨日と同じ初景色 西をさむ
【佳作】 初風呂やふぐりと共に寛げり 西をさむ
 
潤目干す戸口の猫は居候 原田 曄
【佳作】 おほかたは無沙汰を詫びて年賀状 原田 曄
覆面の僧徒門徒や煤払 原田 曄
 
【佳作】 龍天にタツノオトシゴ海中に ひがし愛
金魚鉢吾に似し魚探しをり ひがし愛
 
三等分姉が焼き藷切り分ける 彦阪義久
【佳作】 鯛焼きの五臓六腑はアズキ色 彦阪義久
核家族ごとの小さな福寿草 彦阪義久
 
笹鳴に鴉一声伝授して 久松久子
【佳作】 ダイエットは七草粥と決めにけり 久松久子
 
メイドインチャイナのお飾床の間に 日根野聖子
前髪をきつぱりと分け初鏡 日根野聖子
【佳作】 小寒のやかんカタコト独りごと 日根野聖子
 
愛犬に晴れ着を付けて初詣 広瀬雅幸
【佳作】 振袖の姿の消へし二日かな 広瀬雅幸
 
パン一個職のあぶれる十二月 藤岡蒼樹
寒風や仁王齢の罅肢体 藤岡蒼樹
【佳作】 諍ひの衰へ嬲る初鴉  藤岡蒼樹
 
知らぬ間に行動力のつく師走 藤森荘吉
【佳作】 忘年会忘れてしまふ年忘れ 藤森荘吉
極月のどこに息抜き手帳繰る 藤森荘吉
 
四隅から榾の香の立つ山の宿 藤原セツ子
【佳作】 頬を切る冬三日月の無人駅 藤原セツ子
丸と角それぞれ違ふ雑煮膳 藤原セツ子
 
【佳作】 行列からあるから並ぶ年の暮 前川敏夫
年用意もののせられぬ棚つくり 前川敏夫
 
鎮守から屠蘇年玉へ駆け帰る 前 九疑
毎年よ屠蘇で語るは二十年後 前 九疑
【佳作】 増えゆくは齢ばかりよ年新た 前 九疑
 
姉妹ともおせち料理の売れのこり 松尾軍治
【佳作】 我思ふ故に我有り去年今年 松尾軍治
 
【佳作】 赤門を堂々と抜け寒四郎 三塚不二
絵の裏の仕掛け見ている冬帽子 三塚不二
凍てつく夜渡り合う猫の声熱し 三塚不二
 
置炬燵本音だらけのサロンなる 三橋百笑
鏡字のおめでとう届くファックスで 三橋百笑
【佳作】 満天星(どうだん)のどうだとばかり真っ赤か 三橋百笑
 
立冬や塵取消へて早二年 宮森 輝
【佳作】 数の子も独りの生活屑でよし 宮森 輝
 
【佳作】 電飾を着せられ冬樹立ち尽くす 村上美和
聞き上手なるおでん屋のおやじさん 村上美和
雑炊を熱ある喉に流し込む 村上美和
 
ファミリーの四代目囲む初写真 百千草
冬眠の闇に光れる眼かな 百千草
【佳作】 初山河百まで呆けぬレシピ本 百千草
 
身体ごと向かい打つなり除夜の鐘 森岡香代子
鏡餅一番小さき重ね買ふ 森岡香代子
【佳作】 初新聞目を光らせる宝くじ 森岡香代子
 
いつまでも煩悩反応おらが春 森 要
仲良しが白黒つけると囲碁初め 森 要
【佳作】 一葉の軽いに思い年賀状 森 要
 
参拝を忘れて帰る酉の市 守屋八郎
【佳作】 年金を支へる宝七五三 守屋八郎
 
根性論を聞く耳持たず負け独楽に 八木 健
【佳作】 焼芋に代用食の履歴かな 八木 健
善哉の語源は知らず啜るかな 八木 健
 
間違ひはまた犯します事務始 柳 紅生
義士の日や真夜中チャイム鳴ってをり 柳 紅生
【佳作】 出ましたと言う言ふ返事して炬燵出る 柳 紅生
 
【佳作】 秀逸や猫に有難うお年玉 柳澤京子 
覗き穴子猫の作る障子穴 柳澤京子
明けの春猫も一緒のティータイム 柳澤京子
 
緑児の眠り給へや山のよに   山下正純
仏滅も 神吉日なり初参り 山下正純
【佳作】 子宝に賽銭細る初参り 山下正純
 
雪舞うや夢に向かって球を追う 山本けい子
【佳作】 限られた髪をまとめて初化粧 山本けい子
裾分けと自然薯半分貰い受け 山本けい子
 
髪の毛に叛かれてをりお元日 山本 賜
冬日さす寄植えの細きものたち 山本 賜
【佳作】 金団とごまめをいつたりきたり箸 山本 賜
 
チョコを買ふ男もバレンタインデー 横山喜三郎
【佳作】 意気込みのすぐに萎えきて新日記 横山喜三郎
煩悩のひとつは萎えて除夜の鐘 横山喜三郎
 
八つ手咲きなすことすべて人頼み 渡辺さだを
【佳作】 役終へしふぐり慰む初湯かな 渡辺さだを
女正月来ればワイフの長電話 渡辺さだを