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彦阪義久 (ひこさか よしひさ)
1 虚と実が渾然として日向ぼこ 2 紙風船悲しいことはごめんだよ
3 侍の声になつてる寒稽古 4 死ぬる時あの形だろ三尺寝
5 春障子笑ひ声だけ突き抜けて 6 春愁や脳の輪切りの白と黒
7 十二月八日レノンの星光る 8 葱坊主直立不動無表情
9 告白もその返答も白い息 10 垂直に天二分して鵙の声
11 西瓜切る子等に分数教へつつ 12 息白く来て笑顔だけ置いてゆく
13 地球儀のハワイあたりを歩く蜘蛛 14 自転車の速度で生きて団扇風
15 手袋が幾たびも言ふ「さようなら」 16 母の日や昭和を完走したる母
17 寒稽古小さな赤胴鈴之助 18 渦といふ形美し蚊遣り香
19 紙一重その差金魚の幸不幸 20 雪吊といふ優しさを受け継げり
21 コスモスを活けてイマジンなど流し 22 飛馬にもジョーにもなれず昭和の日
23 サングラス外せばそこに白き夏 24 万緑に二泊三日を沈めけり
25 初燕平服でつて言ったのに 26 「ねえ聞いて」蜜柑一つを差し出され
27 父の日の一人寡黙な詰将棋 28 髭の濃き義経出でて村芝居
29 弓初め礼の姿の美しき 30 白がもう白には非ず秋遍路
31 起き抜けの寒九の水は垂直に 32 クリスマスキャロル飛び出す絵本かな
33 この香水無くなるまでの恋にしよ 34 極月やメモぎつしりの冷蔵庫
35 「あのね」から始る話冬休み 36 本当の悪女はしないサングラス
37 万緑を親の歩幅と子の歩幅 38 口上を述べに来たかや初雀
39 浮き輪の子改札口を通れない 40 季語といふ力と遊ぶ文化の日
41 季語といふ力と遊ぶ文化の日 42 路地にある義理人情と鉄線花
43 葉桜や清貧といふ暮らしむき 44 洛中にコンチキチンが充満す
45 熟慮など出来ぬ漢の懐手 46 滝行者きつと心も水びたし
47 顔だけが借り物でない七五三 48 凹凸の字のわかりよさ文化の日
49 返り花言ひそびれたる事に悔い 50 返り花言ひそびれたる事に悔い
51 「神田川」そんな生活も木の葉髪



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