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青山桂一 2 (あおやま けいいち2)
1 できるなら形そのまま花筏 2 水の音春鶺鴒の尾の上下
3 鯉のぼり叶はぬままに老いゆけり 4 鯉の上ゆるりと過ざる花筏
5 麦踏みの姿見かけぬ大地かな 6 苦きとこことさらに食ぶ目刺かな
7 孫のいぬ老い二人なり雛流す 8 揚雲雀天では尽きぬ話合ひ
9 居残りの鴨に贈れリ慰労の辞 10 よく見れば等間隔に梅花の芽
11 鶯の湾を巡りてご詠唱 12 蝋梅やガレがつくりしランプ傘
13 この頃は一年中が四月馬鹿 14 支障さはりなく籬を抜けし鉄線花
15 夏日避け亀ときどきは川に入る 16 農道に土を零して植田かな
17 畑土も疲れ加減の麦の秋 18 梅雨晴間徒長枝切り風に道
19 鳥語には方言なきや麦畑 20 何もかも機械頼みの植田かな
21 母親を旗艦にしたり夏の鴨 22 俯瞰せば刺子模様の植田かな
23 カステラのやうにも見える麦の秋 24 いい加減刈ってあげたき麦の熟れ
25 青田減り灌漑水も余りをり 26 向日葵や弥次郎衛のごと風の中
27 ひとつづつ刺繍をしたる植田かな 28 初夏や空を見上げる幼亀
29 随分と身を引き締めて夏燕 30 時過ぎぬ使はぬままの余り苗
31 代田はや刺子模様に変はりけり 32 とびとびの代田なるかや農淋し
33 炎帝や列島すべて捩らせり 34 風の盆揺れる手足は草書体
35 麦刈機バリカンとなり畑行き来 36 新涼やおもちやのやうな犬を連れ
37 刈込みが浅きがゆへかひつじ田に 38 顎を出しどうでもせよと秋の亀
39 CD盤陽射しを浴びで鳥威す 40 秋深むシニア句会や金平糖
41 木犀をオーデコロンに鄙の径 42 花芒泡立草を凌駕せり
43 秋の田にボウリング・ピン白き鷺 44 都市化して居心地悪き竹の春
45 日は西に出番来たかと夕化粧 46 草紅葉休耕田より始まりぬ
47 黄落や黄泉まで歩み数里のみ 48 始まりは休耕田なり草紅葉
49 鄙の径S字仕様の秋の風 50 秋暑し天にはいまだ拳雲



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